ひとつの枠に収まらないキャリアのために
ほとんどの学位は、一つの専門分野を中心に組み立てられています。一方、応用学・総合学のプログラムの中心にいるのは、あなた自身です。通常は必修科目を核に、選択科目や専門コースの大きな枠を組み合わせていて、多彩な経験から得た単位がいちばん収まりやすいのが、この自由度の高い枠です。
このルートは、キャリアチェンジをめざす方、大学を途中でやめた方、軍務経験のある方、そして複数の分野にまたがるスキルを持つすべての方に向いています。さまざまな仕事、研修、以前の大学での学びから得た単位を、一つのプログラムの中で組み合わせられます。
学位の名称とレベル
こうしたプログラムの名称は国によって異なります。代表的な例は次のとおりです。
| 段階 | イギリスの例 | アメリカの例 | オーストラリアの例 |
|---|---|---|---|
| 準学士号 | プロフェッショナル・プラクティスのFdA・FdSc | 総合学準学士(Associate of General Studies、AGS)、教養系の準学士(Associate of Arts) | 人文学ディプロマ(Diploma of Arts)、人文学の準学士号(Associate Degree in Arts) |
| 学士号 | プロフェッショナル・プラクティスのBA (Hons)、複合学(Combined Studies)のBA (Hons)、リベラルアーツのBA (Hons) | 応用科学士(Bachelor of Applied Science、BAS)、総合学士(Bachelor of General Studies、BGS)、学際学またはリベラルスタディーズの学士 | 文学士(Bachelor of Arts)、リベラルアーツ学士(Bachelor of Liberal Arts) |
| 修士号 | プロフェッショナル・プラクティスのMA、プロフェッショナル・スタディーズのMA | リベラルスタディーズ修士(MLS)、プロフェッショナル・スタディーズ修士(MPS) | 文学修士(Master of Arts)、プロフェッショナル・プラクティス修士(Master of Professional Practice) |
| 博士号 | プロフェッショナル・スタディーズ博士(DProf) | 学際学のPhD、プロフェッショナル・スタディーズ博士(Doctor of Professional Studies) | PhD、専門職博士 |
イギリスでは、こうした学位の一部が、大学と相談して内容を決める「ワークベースド・ラーニング(職場での学び)」型になっていて、あなたの職務に合わせて科目を一緒に組み立てられます。アメリカでは、BASは技術系の訓練や準学士レベルの学びを土台にすることが多く、BGSは多くの分野から単位を集めて組み立てます。ほかの学位名は学位名称ガイドで紹介しています。
どこで積んだ経験も、単位の対象に
この分野では、経験の幅広さが強みになります。次のような経験が単位につながることがよくあります。
- 業界を問わず、監督職、チームリーダー、オフィスマネージャーとしての経験
- 軍務経験(リーダーシップ研修や技術訓練を含む)
- 中小企業の経営者、フランチャイズオーナー、個人事業主
- ITサポート技術者、パラリーガル、ラボの技術職員などの技術職
- 営業、カスタマーサービス、アカウント管理
- 慈善団体、クラブ、宗教団体でのボランティアのリーダー経験
- 以前に在籍した大学で取得した単位
あなたの経歴で埋められる科目
これらのプログラムは選択科目の割合が大きいため、裏付け資料を複数の学部の科目と同時に対応づけられます。よくある組み合わせは次のとおりです。
- リーダーシップとチームマネジメント
- ビジネスコミュニケーション
- プロジェクトの計画と問題解決
- ビジネスと財務の基礎
- 職場のテクノロジー
- 省察的実践とワークベースド・ラーニング
多くのプログラムは、キャップストーン(総仕上げの課題)や職場での実践プロジェクトで締めくくります。仕事で実際に直面している課題を、評価の対象となる成果物に変えるチャンスです。
裏付け資料を一か所にまとめる
経験が多岐にわたるほど、整理がいちばん大切です。これまでの職務、研修、資格をすべて並べたシンプルな年表を作り、各行に裏付けとなる資料を添えましょう。
- 過去に在籍した短大・大学の成績証明書
- 軍務の記録(アメリカの軍人・退役軍人ならJoint Services Transcriptなど)
- 職場研修の修了証、技能資格、免許
- 異なる2〜3の職務での上司からの推薦状
まずは単位認定の準備度診断で経歴のどの部分が強みになりそうかを確かめ、推薦状作成ツールで、足りない部分を補う推薦状を依頼しましょう。
昔の成績証明書は、真っ先に取り寄せましょう。 何年も前に在籍した学校の記録は、届くまで数週間かかることがあります。早めに依頼しておけば、すべてがスムーズに進みます。
卒業後に広がる道
応用学・総合学の学位は、多くの求人にある「学士号必須」の条件を満たすため、すでに実質的にこなしている仕事での昇進につながることがあります。卒業生は、オペレーションマネージャー、プログラムコーディネーター、プロジェクトマネージャー、公共部門の職員、研修コーディネーターなどの職に進んでいます。MBAや行政学の学位など、修士課程への道も開けます。